アニソンブログ ア・ラ・カルト

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2020年のアニソン重大ニュースを振り返ろう!

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2020年も残りわずか。様々なことに翻弄された一方で、様々な価値観が変化し、新しい試みも数多く生まれた年でもありました。そんな激動の2020年、アニメ・アニソンにとってどのようなニュースがあったでしょうか?

このブログ恒例の重大ニュース記事で振り返っていきましょう!
記事の最後には管理人の今年のおススメ楽曲がずらっと並んでいます!(サブスクのプレイリストリンクもあります) 

【去年の重大ニュースはこちら!】

 

新型コロナウイルスによって多くのアニメ放送が延期。アニソンへの影響も顕著に

2020年は新型コロナウイルスに翻弄された1年だったと言っても過言ではないでしょう。4月に緊急事態宣言も発令され、これを読んでいるあなたも多かれ少なかれ生活に影響を受けたことでしょう。

アニメ・ゲーム業界でも、アニメの放送時期が1クール分ずれたり、連続2クールが分割2クールになったり、展開するはずだったイベントが実施できずにサービス終了となってしまったアプリゲームが出てきたり、その影響は甚大でした。アニメ放送が延期となる=主題歌のリリースも延期になるということで、例えば鈴木このみは7月に3作品で主題歌を担当するというなかなか珍しい事象も発生しました。

また、コロナ禍によって制作環境を変えざるをえなかった現場も数多くありました。3密になりやすいアニメのアフレコは、現在は3人ほどの少人数グループごとに実施。楽曲のレコーディングでは、オーケストラ編成での録音が一時できなくなってしまうところもありましたが、現在は感染予防対策を徹底して行っているところも多いのだとか。

世界がガラリと変わってしまった2020年。2021年になっても新型コロナの影響は残っていきます。いつか夜が明けると信じて、なんとか乗り越えていきたいところです。

 

日本全体が”全集中”!『鬼滅の刃』が社会現象に!

2019年4月から9月にかけて放送されたアニメ『鬼滅の刃』。鬼と戦う炭治郎たちの戦いは放送当時も多くの話題を呼びましたが、2020年はさらにその人気が加速。原作の完結、業界を越えた様々な商品とのコラボ、果ては総理大臣が作中のセリフ「全集中」と発言するなど、『鬼滅の刃』の話題を見ない日がないほどの社会現象となりました。今年初めに小さな子供まで「〇〇の呼吸」と言っているのを見た時は、本当に驚いたものです。

10月16日から公開された新作映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、2020年12月31日時点で興行収入324億円を記録。2001年に公開された『千と千尋の神隠し』の316.8億円を抜き、歴代興行収入1位を獲得するという快挙を成し遂げました。

『鬼滅の刃』が流行ったきっかけの一つとして、NetflixやAmazon Primeといった配信サイトの存在は無視できないでしょう。本来なら深夜アニメ番組が放送後に話題になることは非常に稀。それが配信サイトの存在によってアニメ放送後でも気軽に見ることができ、且つ、コロナ禍によるステイホーム期間に見た人が多かったことなど、様々な要因が重なったことによる流行だったと思います。もしかしたら、今後は夕方アニメ・深夜アニメといった区分け自体も形骸化していくかもしれませんね。

 

『劇場版 「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌 LiSA「炎」が第62回日本レコード大賞を受賞!

『鬼滅の刃』のブームは主題歌を担当したLiSAの人気をも押し上げました。 すでに2019年の時点で、紅白歌合戦への出場など数々の快挙を成し遂げていましたが、今年は数々の音楽番組やバラエティ番組に出演。LiSAの知名度がさらに上がった1年だったのではないでしょうか?

そして『劇場版 「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌「炎」は、梶浦由記との共作として発売。無限列車編のキーパーソン・煉獄杏寿郎へのはなむけと、炭治郎たちの覚悟を歌ったこの曲は、無限列車編にふさわしい壮大なバラードナンバーとなっており、映画を見終わった後に涙を流している人もいたほど、多くの人の心に残る一曲となりました。

記憶だけでなく記録面でも快挙続き。Billboard JAPANでは発売初週で史上初のソング・アルバム両総合チャートダブル首位とチャート7冠を達成。アメリカのビルボード・グローバル・チャートでもTOP10入り、Apple Musicの”トップ100:グローバル”では日本人アーティスト歴代最高位となる10位を記録。日本のみならず世界にも「炎」が灯る結果となりました。

そして去る12月30日、第62回日本レコード大賞にて「炎」が大賞を受賞しました。これまで「おどるポンポコリン」などが受賞したことはありましたが、現在のアニメ・アニソン業界を反映したアニソンが、日本レコード大賞を受賞したのは初めて。昔に比べて権威が落ちているという声もありますが、それでもレコ大受賞は快挙。日本の音楽の歴史にアニソンが根付いたことの証明という視点でも、大きな意味を持つ受賞だったと思います。もちろん、LiSA個人の力を示したという意味でも素晴らしいです。

2021年もさらに飛躍する彼女に期待です。

 

新型コロナの影響はライブにも…… オンラインライブ文化の序章となるか

新型コロナウイルスの影響を受けたのはアニメだけではありません。むしろ、現在進行形で影響を受け続けているのがライブ・コンサート産業といっても過言ではないでしょう。 2月26日のライブ・コンサートの自粛要請を皮切りに、今年の上半期に開催予定だった公演は中止もしくは延期されたものが数多くありました。代表的なところでは日本最大のアニソンフェス、「Animelo Summer Live」も2020年は中止に。ぴあ総研の試算によると、ライブ・エンタテインメント市場は前年比約80%減。壊滅的な被害を被っています。

とはいえ、主催者側も手をこまねいているわけではありません。「コロナで集客ができないのなら……」という考えで行われているのがオンラインライブ(配信ライブ)です。最初は普通のライブと同じようなことを行っていましたが、配信ライブのメリット・デメリットがある程度わかってきてからは、配信ライブ独自の演出というのも増えてきました。観客席をステージの一部として使ったり、天井カメラを使ったり、ARを用いた演出だったり、面白い演出も多かった印象です。逆にアコースティックでしっとり利かせるというライブも多かったですね。


また、観客を入れて配信ライブも行う、いわゆる”ハイブリッドタイプ”のライブも増えてきました。配信ライブだけでは採算が取れないことも多いので、こういう形はありですね。ただ、現在配信ライブをしているアーティストも、アフターコロナの時代になったらコロナ禍以前の形にしたいと思っているはず。それは経営的な観点でも、演者のモチベーション的な観点でも。今後オンラインライブが文化として根付いていくのか、注目したいです。 

 

アニソン×クラブミュージックの流れが本格化!特化した作品も登場

ここ数年の流れとして、アニソンにクラブミュージックを掛け合わせた楽曲が大きな人気を呼んでいます。

これまでも『交響詩篇エウレカセブン』や『アイドルマスターシンデレラガールズ』、『アイカツ!』などの作品の一部楽曲でクラブミュージックな曲はリリースされていましたが、今年は『D4DJ』『電音部』『HANDEAD ANTHEM』といった”クラブミュージックをテーマにしたコンテンツ”が勢いを増しました。ほかにも、HIP-HOPコンテンツですがクラブミュージック的なアプローチもある『Paradox Live』や、和風EDMな本格クラブミュージック楽曲「恋のうた feat 由崎司」(アニメ『トニカクカワイイ』OPテーマ)なども話題を呼びました。


また、宮野真守や内田雄馬、畠中祐といった男性声優のアーティスト楽曲や、VTuberの音楽にもそういったジャンルの曲が増えてきましたね(宮野真守はだいぶ昔からですが)。

 

この流れはボカロ文化、コナミ系の音ゲー文化、00年代中盤から存在するアニソンクラブ文化など様々な影響から成っているので、単一の事象から説明できません。ですが、世界の音楽の潮流はヒップホップがメインストリーム。邦楽とはまた一線を画すアニソン文化に、それらの流れが来ているのかもしれません。来年もどのような作品・楽曲が生まれていくのか楽しみにしたいです。

 

”アニソンキュレーション”ブーム到来!? 歌手・クリエイター・有識者からのアニソンレコメンドが多数!

アニメやゲームの作品数が増え、それに付随してアニソン・ゲーソンも増えていく。増えすぎて良い曲が埋もれてしまい話題にならないというのが、ここ数年のアニソンの悩みの種でありました。そんななか、良曲を厳選しおススメのアニソンを届ける、いわゆるキュレーション企画がいくつも立ち上がっています。

「ちゃんと話そう、アニソンのこと。」というテーマでおくる、クリエイター発のキュレーション企画「アニソン派!project」。数々のアニソンに楽曲提供をしている田代智一さんと田淵智也さんが発起人となり、有名なアニソンクリエイターも巻き込んで、2019年秋ごろから数か月ごとにアニソンの良楽曲を紹介しています。クリエイター側の思いも聴けるし、制作の裏側も覗くことができる企画で、管理人も毎回聴くたびに驚きと発見があって楽しませてもらっています。

 

そして音楽プロデューサーの冨田明宏さんや、アニサマの斎藤P、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんらが集まって今年のアニソンを振り返る「アニソン大賞」も話題となっています。元々は平成のアニソンを振り返る「平成アニソン大賞」として2019年3月に行われましたが、今年12月に「令和二年アニソン大賞」として再集結。アニソン派とはまた違う視点で良曲が推薦されて、こちらも見ごたえがありました。

もちろん、制作者側だけではありません。アニソンDJによるセットリストはもちろん、ストリーミングサイトのプレイリストのシェア機能だって、狭義の意味ではキュレーション。管理人がアニカンで連載中のコラムだってキュレーションです。

口コミのもつ力というのがかなり大きいのは誰しも感じているはず。これからはキュレーションがさらに力を持ってくることは間違いないでしょう。「良い曲なのに、なんで誰も話題にしないんだ!」と思ったら、まず声を上げてみよう! それが楽曲を、ひいてはアーティストを助ける燃料になるかもしれません。

 


というわけで、今年のアニソン重大ニュースでした。他にも「アニソンカバーブーム到来!?」というのも個人的にはありましたが、今年だけじゃなくてここ数年の流れかもね。

例年ならば来年注目のアーティストや作品を紹介するのですが、商業ライターとして活動する手前、あまりそこに言及しない方がいいのではないかなと(いい加減なこと言ってもアレだし)いうことで、今年からは2020年の個人的なおススメ楽曲・アルバムを紹介します。先ほど話したキュレーションの一環です。

Spotify、AWA、ANiUTaでプレイリストも作成しましたので、そちらから気軽に聴いてみてくださいね!(一部サブスクにないものもあります)
詳細な楽曲リストはプレイリストの下に書いてあります。

 

[Spotify]

 

[AWA]

 

[ANiUTa]

 

【アルバム】(順不同)

・上坂すみれ「NEO PROPAGANDA」
・上田麗奈「Empathy」
・Run Girls, Run!「Run Girls, World!」
・鬼頭明里「STYLE」
・雨宮天「Paint it, BLUE」
・内田真礼「ハートビートシティ/いつか雲が晴れたなら」
・三澤紗千香「I AM ME」
・Re:ステージ!「Chain of Dream」
・ラピスリライツ・スターズ「SKY FULL of MAGIC」

 

【楽曲】(順不同)

・TrySail「ごまかし」(アニメ『マギアレコード』OP)
・岸田教団&THE明星ロケッツ「nameless story」(『とある科学の超電磁砲T』前期ED)
・sajou no hana「青嵐のあとで」(『とある科学の超電磁砲T』後期ED)
・Mashumairesh!!「キミのラプソディー」(『SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』ED)
・fhána「星をあつめて」(『劇場版SHIROBAKO』主題歌)
・佐々木李子「Good Night」(『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』挿入歌)
・angela「乙女のルートはひとつじゃない!」(「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」OP)
・Void_Chords feat. Yui Mugino「LIES & TIES」(劇場版『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』OP)
・佐伯ユウスケ「ナナナナナナナ」(『遊☆戯☆王SEVENS』OP)
・ユアネス「籠の中に鳥」(『イエスタデイをうたって』ED)
・オーイシマサヨシ「世界が君を必要とする時が来たんだ」(『トミカ絆合体 アースグランナー』OP)
・鈴木雅之「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」(『かぐや様は告らせたい?〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』OP)
・Shin Sakiura feat. AAAMYYY「NIGHT RUNNING」(『BNA ビー・エヌ・エー』ED)
・PENGUIN RESEARCH「キリフダ」(アニメ『シャドウバース』OP)
・イヤホンズ「記憶」
・AiRBLUE Wind「ぐっばいおぶじぇくしょん」(ゲーム『CUE!』キャラソン)
・AiRBLUE Moon「MiRAGE! MiRAGE!」(ゲーム『CUE!』キャラソン)
・桜乃美々兎 (CV: 小坂井祐莉絵)、水上 雛 (CV: 大森日雅)、犬吠埼紫杏 (CV: 長谷川玲奈)「Hyper Bass (feat. Yunomi)」(『電音部』キャラソン)
・鈴木このみ「Theater of Life」(『デカダンス』OP)
・SawanoHiroyuki[nZk]:Jean-Ken Johnny「Chaos Drifters」(『ノー・ガンズ・ライフ』OP)
・関野ロコ (CV: 久保田梨沙)「ブロ子の歌」(『おちこぼれフルーツタルト』挿入歌)
・夏川椎菜「アンチテーゼ」
・DIALOGUE+「好きだよ、好き。」
・IDOLiSH7「Mr.AFFECTiON」(ゲーム『アイドリッシュセブン』キャラソン)
・HUiT「背番号」(ゲーム『八月のシンデレラナイン』キャラソン)
・ここなつ「ハレ トキドキ メランコリック」(『ひなビタ♪』キャラソン)
・シャイニーカラーズ「シャイノグラフィ」(『アイドルマスター シャイニーカラーズ』キャラソン)
・ストレイライト「Hide & Attack」(『アイドルマスター シャイニーカラーズ』キャラソン)
・中須かすみ(CV:相良茉優)「無敵級*ビリーバー」(『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』キャラソン)
・虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会「NEO SKY, NEO MAP!」(『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』ED)
・近江彼方(CV:鬼頭明里)「Butterfly」(『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』挿入歌)
・上田麗奈「リテラチュア」(『魔女の旅々』OP)
・一柳隊「Edel Lilie」(『アサルトリリィ BOUQUET』ED)
・櫻川めぐ「Unreal Creation!」(ゲーム『ハミダシクリエイティブ』OP)
・柳麻美「光放て!」(ゲーム『ATRI -My Dear Moments-』OP)